コードレス電話やPHSが使えなくなる?「スプリアス規格」改定の内容と対象機種の調べ方

       

       
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日本国内でPHSを扱う「ソフトバンク株式会社」と「株式会社ウィルコム沖縄」が、公衆PHSサービスを2021年1月末で終了します。

個人向けの公衆PHSサービスを提供していたのが上記二社のみであったため、利用していた一般の方にとっては打撃となりますが、その一方で法人(企業)向けの構内PHS設備においては特に問題ないとスルーしていた方も多いはず。

しかしながら、職場などで使用しているビジネスホンの構内PHSやコードレス電話機、アンテナ機器といった設備も、2022年には使用できなくなる可能性があるのです

ギリギリになって「PHSやコードレス電話機が使えない!」となると、業務に混乱をきたしかねません。早めに事態を把握し、手を打っておきたいところです。

本記事では、2022年に各種無線機器が使用できなくなる原因と、現在お使いの機器が2022年以降も継続使用できるか否かを確認する方法について解説しています。ぜひ対策にお役立てください。

※現在、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等による無線設備の製造や移行作業に遅れが生じていることを考慮し、新スプリアス規格への移行期限は【2022年11月30日】から【当面の間】に延長となっています。


2022年11月末に職場で使用しているコードレス電話機が使用できなくなる理由

現在、職場でお使いのPHSやコードレス電話機を含む無線機器の「スプリアス規格」が「旧規格」である場合、2022(令和4)年11月30日までしか利用することができません

「スプリアス規格」とは?

「スプリアス」とは、無線設備から発せられる電波のうち、本来必要とされる周波数から外れた不必要な電波のことを指します。
ほかの電子機器への妨害要因となることがあるため電波法により強度が規定されているのですが、その強度の許容値を示すのが「スプリアス規格」です。

2005年12月に電波法関連法令である無線設備規制において、許容値の改正が行われたことによって「新規格」が制定され、「旧規格」は2022年11月30日をもって使用できなくなるのです。

※現在、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等による無線設備の製造や移行作業に遅れが生じていることを考慮し、新スプリアス規格への移行期限は【2022年11月30日】から【当面の間】に延長となっています。

期限を超えて使用すると罰則・罰金の対象に

現在お使いのPHSやコードレス機器が旧スプリアス規格に該当する場合、期限を超えて使用してしまうと電波法違反となり、罰則・罰金(1年以下の懲役または、100万円以下の罰金)の対象となります。
知らず知らずのうちに法律違反をしていた…なんてことの無いよう、期限までにしっかり対応しておきたいところですね。

では、現在職場で使用しているPHSやコードレス機器の無線規格を確認するにはどうすればよいのでしょうか。その方法について、次の項目でお伝えします。

無線機器の規格を確かめる方法

「旧規格」の対象となるのは、2005(平成17)年11月30日までに製造された製品となっています。しかし、現在職場で使用している機器がいつ製造されたのかわからない場合もありますよね。

職場で使用しているPHSやコードレス機器が旧規格なのか、新規格なのかを確かめるには、総務省の「電波利用ホームページ」を利用しましょう。

総務省・電波利用ホームページ
【技術基準適合証明等を受けた機器の検索】

フォームに必要事項を入力することで、お使いの機器の無線規格を確認できます。

上図の「番号」欄には、お使いの無線機器の「技術基準適合証明番号」を入力します。

「技術基準適合証明番号」は、主に機器の型番シールに記載されていますので、各機器のどこに貼られているかを知っておくと、入力時にスムーズですよ。

無線機器の型番シールの場所

【アンテナ機】
一般的に機器の背面にあります。

【置き型コードレス電話機】
一般的に機器の背面にあります。

【デジタルコードレス電話機(PHS)】
一般的に電池蓋を外した背面にあります。

※今回は例としてNTTのαGXシリーズの機器を用いて説明しています。
他メーカーの機器でも一般的には同じような位置に型番シールが貼られていますが、万が一わからなかった場合はページ下部のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。


ビジネスホンメーカーが発表している旧規格の機器

ビジネスホンメーカーによっては、旧規格に該当する機器を公式に発表しているメーカーもあります。お使いの機器の規格を確かめる方法として、こちらも参考にしてみてください 。

NTT


クリックで拡大(西日本電信電話株式会社のページに遷移します)

SAXA


クリックで拡大(サクサ株式会社のページに遷移します)

日立/ナカヨ


クリックで拡大(株式会社日立情報通信エンジニアリングのページに遷移します)

この機会に職場の機械設備を見直してみてはいかがでしょうか

今回確認してみて、現在お使いの機器が旧スプリアス規格の対象であった場合には、買い替えが一般的な対応となるでしょう。

また、今回は旧スプリアス規格に該当しなかった…という場合でも、いつから使用しているのかわからないくらい古いものを使用していては、動作に支障が出たり使い勝手が悪いと感じたりすることもあるでしょうし、この機会に設備の見直しを検討するのも一つの手段です。

現在は、コードレス電話機の新しい通信方式である「DECT方式」を用いた製品も、各メーカーから続々登場していますので、システムの入れ替えをご検討の方は要チェックです!

詳しくは「【最新のDECT方式も】コードレス電話の通信タイプ徹底解説!選ぶ際のポイントとは?」をご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!



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